地方によって違う?家族葬のマナー
2017.07.26

男女人々の暮らしに密着した葬儀のスタイルは、自然な流れで地域差を構築します。土地に住む者の生き方や暮らし方に沿うように、標準のマナーは長い歴史の中で変容し、いつしかまるで元からそうであったかのように馴染んで、違和感を感じさせません。葬儀の常識だと思っていた行動が、実は故郷独自の風習だったということは、時としてあるものです。
家族葬は関東でも、日本の葬儀の中でもまだまだ新顔的な存在ですが、既に地方によって印象には違いが生じ始めています。わかりやすいのは、家族という言葉が含む範疇の違いです。
普段の生活から祖父に祖母、兄弟に従姉妹にその子供といった、親類との間柄が近い世帯の多い地域では、家族の認識は家を超え、交流のある家庭にまで及びます。故に家族葬での参列者の範囲も広く、血縁者の全てを呼んで参列する者が三十人以上に上ったとしても、一般の人を入れない以上、定義からは外れたとは見なされません。
都心に近い環境では、反対に血の繋がりがある者でも互いの距離が遠く、親戚とは冠婚葬祭の席でしか顔を合わせないという家庭も多く見られます。そのような世帯で行われる家族葬は、所帯単位を家族と見なし、それ以外は血縁者であっても、括りには入れずに済ませるというような対応が取られることも珍しくはありません。二親等以内の関係者を葬儀に呼ばないのは、マナー違反だとする考え方もありますが、家族葬が千葉や東京で営まれている場合、それは必ずしも礼儀に反する行為であるとは言い切れないのが現状です。
同じように香典の有無にも、地域や家庭それぞれのルールがありますので、家族葬だから要らないはずだと思い込んだり、受け取らないのはおかしいと頑なにマイルールを通そうとするのはトラブルの元です。同じ関東と言えど家族葬を埼玉の斎場で行った時と、家族葬を千葉の葬儀社で計画した時とでは、異なる結果が出るのは当たり前で、一度や二度の経験は比較にもなりません。
自分の地域ではなく、相手側の地方に合わせての振る舞いを、葬儀では考えていくことが大切です。参列をお願いされなかったら、抗議をするのではなく葬儀が終わるまで静かに待ち、落ち着いた頃に改めて訪問のお伺いを立てるようにしましょう。
香典の用意はいらないと言われた場合には、その意向に従って強引に押し付けることはせず、逆に言及がなかった時には、とりあえず一般的な金額を包んでおくと安心です。関東では比較的、香典が受け取られるケースが少なくないので、家族葬でも油断せず、喪服のポケットやバックにそっと準備しておいて下さい。

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